GP-Chem 東北大学 統合化学国際共同大学院東北大学
統合化学国際共同大学院

【長期研修:2025.3.17-2025.9.21】フランス, ボルドー大学:髙橋尚央さん

2025年3月-9月の半年間、European Institute of Chemistry and Biology (ボルドー、フランス)のYann Fichou研究室にて6ヶ月間の海外研修を行いました(Fig.1)。

 

Fig. 1 滞在先のEuropean Institute of Chemistry and Biology

 

Fichouラボでは、X線小角散乱(SAXS)や電子常磁性共鳴法を用いて、神経疾患に関係するアミロイドタンパク質の凝集・線維構造形成の分子メカニズム解析を行っています。私は博士課程の研究課題として、糸状菌が生産する機能性アミロイドタンパク質の線維形成機構の解析に取り組んでおり、Fichou研究室の解析技術によって自身の研究を深められると考え、共同研究を開始しました。
私が扱うアミロイドタンパク質は糸状菌細胞表層や気液界面で特異的に線維化して防御被膜として機能するのですが、溶液中では一切線維化しないことが知られています。この界面特異的な線維化の仕組みを明らかにするため、タンパク質が界面上で集合し、線維状に成長していく過程を斜入射X線小角散乱(GI-SAXS)でリアルタイムに観測する実験を行いました。GI-SAXS測定はフランス・グルノーブルの欧州シンクロトロン放射光研究所(ESRF)にて実施しました(Fig.2, 3)。大型放射光施設での実験は初めての経験であったため、実験操作やデータ解析などすべてが新鮮で、楽しみながら研究に取り組むことができました。

 

 

 

研修期間中は、多くのディスカッションやミーティングの機会に恵まれました。滞在先ラボメンバーとの日々のディスカッションはもちろんのこと、放射光施設の研究者との打ち合わせ、Yann先生に紹介していただいた計算科学の専門家との新たな共同研究の打ち合わせなど、様々なバックグラウンドを持つ研究者との共同研究を主体的に進める経験を積めました。今回の半年間の研修を通じて構築した人脈を今後の研究にも生かしていきたいと考えています。

 

滞在先のボルドーはフランスの中でも特にワインで有名な地域です。実験終わりや週末には、ワインバーや郊外のシャトーに出かけて、様々な種類のワインを楽しむことができました(Fig.4, 5)。ラボメンバーとワインのブラインドテイスティングに挑戦したのも良い思い出です。また、パリやバルセロナ、ヴェネツィアなどの観光地にも週末に気軽に出かけられたため、様々な国の多様な文化に触れることができました。
6ヶ月間という短い期間でしたが、研究・私生活ともに非常に充実した日々を送ることができました。今回の研修を実施するにあたりご支援いただきましたGP-Chemの皆様に厚く御礼申し上げます。

 

 

 

ページトップへ