GP-Chem 東北大学 統合化学国際共同大学院東北大学
統合化学国際共同大学院

【短期研修:2022.8.4-11】 アメリカ,クリーブランド:佐藤梨奈さん

ナノ粒子の磁気誘導加熱実験と,大学間ジョイントシンポジウムへの参加を目的に,アメリカ合衆国,オハイオ州 クリーブランドにある Case Western Reserve 大学 (CWRU) で研修を行ってきました.現地での実験は同じ研究室メンバーの谷地 赳拓さんと行い,Anna C. Samia 先生の研究室の博士課程の学生さん 2 人に協力していただきました.実験室では装置ごとのマニュアルがすぐ近くに貼られているほか,Samia 研の学生さんたちが指で示しながら丁寧に実験方法を指導してくれたため,スムーズに実験を行うことができました.測定一回あたり 30 分程度かかりましたが,待ち時間の間にはSamia 研の学生さんたちが付近のおすすめのアイスクリーム屋さんを教えてくれたりなど和やかな雰囲気でした.
アメリカへ渡るのは初めてでしたが,多国籍国家ならではの開放的で自由な雰囲気に触れ,一週間という短い期間ながら自身の価値観や精神面に大きな刺激を受けたと感じます.研修中出会った CWRU の学生たちはほとんどが非アメリカ国籍の留学生でしたが,英語という共通の言語のおかげで日本のような日本人/外国人といった壁がなく,また日本ほど年齢や立場による上下関係もはっきりしていないため,まさに「人類みな兄弟」といった空気感に驚かされました.私はあまり英語が得意ではありませんが,多くの人が,円滑にコミュニケーションが取れない私にも嫌な顔せず声をかけてくれました.そしてシンポジウムでは,教員も学生も情熱を持って,楽しんで研究を行っているのが伝わってきました.そのような姿を見ていると,日本にいて人間関係や自身の研究で悩んだり,人の目を気にして過ごしたりすることが,本当に些細で悩むに値しないことなのだと感じさせられます.もともとマイナス思考な人,自分に自信が持てない人こそ,ぜひ一度アメリカを訪れることをおすすめします.帰国後にはTake it easy! のマインドが身についているはずです.
現在,新型コロナウイルスの感染拡大により国内ですら年代の近い学生と交流する機会は多くない状況です.そのような時世の中で,海外の学生たちと自身の研究や互いの国について語り合い,同じ時間を共有できたことは非常に貴重な,価値のある経験だったと思います.今回の研修は博士過程での長期の研修について,ひいては今後の自分自身の研究者としての将来についても視野を広げる非常に充実した機会となりました.

 

写真1. Case Western Reserve 大 (CWRU). のどかで,歴史のある大学の建築物が並ぶ街並みはとても美しかったです.博物館や美術館などの観光地も大学周辺に集まっていて,大学を中心として街が形成されているような印象を受けました

 

写真2. CWRUでの実験の様子.写真右の学生さんが着用しているコートは教員と博士課程の学生のみが使用を許されています.アメリカでは日本よりも博士課程の学生が圧倒的に多く,いい意味で,博士学生が「特別扱い」されていると感じました.

 

 

写真3. CWRU の学生との交流会での記念写真.日本人の先生方とテーブルで固まっていた私を写真一番右の彼がわざわざ呼びに来て学生たちの輪に入れてくれたことは忘れられません.

 

 

写真4. ジョイントシンポジウムでのポスター発表への参加

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