【短期研修:2023.11.22-12.2】 スイス,チューリッヒ:白 玉焜さん
チューリッヒ大学のJürg Hutter教授のグループで、Satoh教授指導のもと11日間の研修を行いました。今回の研修では、CP2Kという第一原理分子シミュレーション(ab initial MD)を基づいての計算化学ソフトウェアに関する基本知識を学び、私の研究にどのように応用できるかを学びました。このソフトウェアを使って、気相、固体など様々な系を量子化学(QM)とMD計算することが効率的に出来ます。
セミナーでは、自身の研究成果を発表し、Hutter教授、Satoh教授、そして他のメンバーからも貴重な意見をもらいました。Satoh教授には、今後の研究計画についてもアドバイスをいただき、今後予定している長期海外研修の研究テーマを確定することができました。
先生方は非常に親切で、CP2Kに関する基本的な質問にも丁寧に答えてくれました。教授と学生の関係性もフラットで、中国や日本の環境とは異なりました。
先生方のサポートにより、CP2Kの使用方法を学び、今後の研究に応用することができるようになりました。
Fig. 1 私の座席、向こうは有機系の実験室のようです。
今回訪問したイルヘルキャンパスは郊外に位置し山が近いため、新鮮な空気と自然の豊かさが特徴です。秋の季節は特に美しく、落葉樹の色づきがキャンパスを色鮮やかな景色に変えていました。化学棟の後ろにそびえる山(図2)からは、季節の変化を肌で感じることができ、自然との調和が生み出す穏やかな雰囲気が、研究の集中力を高めてくれました。
Fig. 2 大学キャンパス後方の山、隣のビルは化学棟
この山々は、散策やリラクゼーションには理想的な場所で、キャンパスライフにおいて重要な役割を果たしていると感じました。私自身、歩いているだけで心が落ち着き、研究に対する新しいインスピレーションを得ることができました。この自然豊かな環境は、現地の学生や教職員にとっても、日常のストレスを忘れさせてくれる癒しの空間となっているようです。
チューリッヒ市内も訪れ、チューリッヒ湖や運河の美しさに触れました。水は非常に澄んでおり、湖底が見えるほどでした。湖畔に立つと、遠くに見える雪山の景色がとても美しく、感動的でした。スイスの人々も非常に友好的で、日本とは異なる雰囲気を感じることができました。
Fig. 3 チューリッヒ湖
この研修を通じて、同世代の研究者から経験豊富な研究者まで、多くの方々とディスカッションする機会に恵まれました。研究においてまだ改善すべき点や、英語でのコミュニケーションの未熟さを痛感しましたが、これらの経験を次の博士後期課程での半年間の留学に活かしたいと考えています。スイスの大学の自由さと規模の大きさに魅力を感じる一方で、長期留学に対する不安もありますが、それ以上に大きな前向きなモチベーションを得られました。本当に貴重な経験となりました。