GP-Chem 東北大学 統合化学国際共同大学院東北大学
統合化学国際共同大学院

【短期研修:2024.9.14-9.18】イギリス, ケンブリッジ大学 : 髙橋尚央さん

イギリス・ケンブリッジ大学化学科のTuomas Knowles先生の研究室を訪問し(Fig. 1, 2, 3)、自身の研究に関するディスカッションと研究室の見学を行いました。Knowlesラボは物理化学を基盤に、タンパク質が凝集・自己組織化して線維化する現象のメカニズム解明を中心に取り組んでいます。特に、タンパク質線維の形成過程を記述した数理モデルや先端的な実験手法の開発を行い、タンパク質凝集と疾患との関係性を探る研究を行っています。私の博士研究のテーマである微生物由来のタンパク質線維の研究においても、Knowlesラボで開発された数理モデル解析が有効である可能性があり、ラボの皆さんに、私の持ち込みデータについてディスカッションをしていただきました。ディスカッションを通じて、Knowles先生やラボのポスドク、博士学生さんから貴重なアドバイスを頂きました。

 Knowlesラボはタンパク質凝集の物理化学的性質に関する研究分野のトップラボの一つであり、たくさんのポスドク・博士学生が在籍していました。ラボは大所帯でありながら、非常にフラットな雰囲気であったのが印象的で、誰でも気軽にディスカッションできる環境が整っているように感じました。このようなオープンで協力的な文化が、良質な研究成果を継続的に生み出す一助となっているのかもしれません。また、ラボに在籍しているメンバーは国際色豊かで、ヨーロッパに限らずアジア圏から来た学生も多数在籍していました。世界中から高いモチベーションを持つ学生が集まるからこそのメンバー同士の相互作用が、ラボ全体の活気と生産性を高めていることを肌で感じました。

 本研修では自身の研究をさらに発展させるための実践的な学びを得るとともに、非常にたくさんの方とディスカッションする機会に恵まれ、貴重な経験ができました。今の自分に足りない部分を痛感した一方で、自身の強みといえる部分も理解することができ、グローバルな舞台での自分の立ち位置が明確にできたように思います。本研修での成果や気づきを今後の博士研究や長期海外研修に生かしていきたいと思います。最後になりましたが、今回の研修を実施するにあたりご支援いただきましたGP-Chemの皆様に厚く御礼申し上げます。

Fig.1 ケンブリッジ大学化学科

Fig. 2 化学科エントランス

Fig. 3 大学構内のにあるニュートンのリンゴの木

 

ページトップへ